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好奇心からうまれた「なぜ?」をとことん突き詰め9分間のプレゼンテーションにぶつける。
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- Q-1
「Q-1」は今年で5回目とのこと。今年は全国から過去最多の329チームがエントリーした。
全国349チームが挑んだ予選。決勝までたどり着いたのはわずか3チーム。群馬県立高崎高校・物理部は、物理をこよなく愛する高校生たちは100年以上続く常識を覆す新たな事実を発見した。東京都立大泉高校・小島颯人さんは、折り紙にみせられて発想を駆使して未来の物流を変える新発明にたどり着いた。京都府立南陽高校・自然科学部は、地域を襲う水害から命を守る新たな被害予測に挑んだ。審査ルール。9分間のプレゼン、質疑応答の2段階の審査を行う。9分間のプレゼンが終了した時点で採点して点数をオープン。その後質疑応答で点数を見直しして最終点数を決定。5名の審査員の合計が1番高かったチームが、最優秀イノベーターを手にする。発表順はくじびきで決まった。
先陣をきるのは、京都府立南陽高校・自然科学部。奈良県との県境に位置する木津川市。市の中心を流れる木津川は、古くから人々の暮らしを支え地域を育んできた。西側にある京都府立南陽高校、なかでも地域や環境をテーマに活動を続けているのは自然科学部。中学生を合わせて総勢40名の部員が、実験やデータ解析に打ち込んでいる。後輩から頼りにされる部長・竹内央汰郎さん。木津川とともに歩んできたこの地域、これまで幾度となく水害に見舞われてきた。昭和28年に南山城水害が発生し、死者・行方不明者336名となった。当時の被害は支流でも堤防が決壊した。彼らは地域を守るために、浸水エリアを正確に予測する探究に取り組んだ。体験者への聞き取りも実施した。
「京都府立南陽高校自然科学部」の発表テーマは、聞き取り調査とデータ分析を融合した、水害から命を守る「真のハザードマップ」作りである。過去に地元を襲った大水害を例に地域を越え、現代の日本の防災にも役立つ発見をした。「京都府立南陽高校自然科学部」がプレゼンをする。南山城水害の決壊場所は木津川ではなく、小さな支流河川に集中していた。ハザードマップでは、鳴子川流域の浸水深が浅く表示されてしまい、決壊場所のまわりがまるで安全なように見える。決壊場所の近くに避難所がある。そして今年6月の集中豪雨で、増水した鳴子川で撮影した写真を見せ、70年前の災害は過去のもではなく、このままでは危ないと当時の豪雨で川に流れ込んだ水量を分析した。ここからが有識者顔負けの「HQ QPoint」で、気象データの分析に留まらず彼等が用意したのは、3Dプリンターで地形を再現したジオラマである。ジオラマの決壊地点から実際に水を流すことで、広がる時間と範囲を検証した。この結果を踏まえて作成したハザードマップは、中小河川である鳴子川の決壊は、大河川である木津川の決壊と同等の被害がうまれることを予測した。これまで想定が浅くされていた地域も、鳴子川の決壊では水が押し寄せてしまうことがわかった。完成したハザードマップを市に持ち込むも、2つのマップで住民を迷わせる新たな課題となり、そこで南陽高校自然科学部が提案するのは「リアルタイム浸水ナビ」である。紙のハザードマップにないものは、リアルタイムに水が広がる様子で、住民1人1人に合わせた自分だけのタイムラインを作れるのではないかと考えた。「リアルタイム浸水ナビ」は防災ツールで、住民が自分ごととして防災を考え行動できること、そこに導くことこそが真のハザードマップではないかと締めくくった。南陽高校自然科学部がプレゼンを終えて得点は山極さんが90点、伊沢さんは91点など合計5人が採点し、合計得点は451点であった。専門分野のスペシャリスト、大阪大学大学院の嶋寺光教授が登場して鋭い視点での質問をし、質疑応答の時間が始まる。嶋寺さんに、最近だと雨量計は各地に置かれているので、最近の線状降水帯で同じように時間変化が似ているかを検証してもよかったなどの指摘がなされた。ジオラマの課題は、大きさを小さくしてるので水の表面張力の影響があり、水に界面活性剤を入れてサラサラにして流れやすくしたことである。伊沢さんから、行政のハザードマップ更新に至らなかった理由を聞かれて、ハザードマップによる作りによる問題で、「リアルタイム浸水ナビ」は見るまでに時間がかるが水の流れが分かり、ハザードマップだけを見て逃げることによる亡くなる人の数を減らせることができると睨んでいるなどと回答した。最終得点はトラウデン直美さん93点、野口さん93点など合計得点は457点だった。
全国349チームの中から決勝に進出した群馬県・高崎市の群馬県立・高崎高等学校。初代・最優秀イノベーターの高田悠希さん、英語学習アプリ「EngishLens」を開発した黒澤駿らが集まる、過去2回最優秀イノベーターを輩出したQ-1強豪校。今回の出場者も2人と同じ、物理部の部員の森戸士雄さん。一度決めたら突き進むという森戸さん。その探究心が新たな発見へとつながる。森戸さんの研究に賛同した仲間が、飯塚涼太さんと森悠陽さん。今回挑んだテーマは「クインケ管実験」。クインケ管とは、中が空洞になったり、U字型の管を使って音の性質を調べる実験器具。2つの音が重なった際に音の大きさが増減する現象を研究する。管の伸縮で音の大きさが変化する現象は”音波の干渉”によって起こる、高校物理の定番問題。しかし、研究を続けると、教科書の再検討を促す新発見があったという。森戸さんらは、純粋な知、好奇心を持ちながら研究を進め、基礎研究の重要性を伝えたいという。
早速冒頭からクインケ管実験を生演奏。2つの音が重なり強め合ったり弱め合ったりする現象が「音の干渉」。管を4cm伸ばすと音が小さくなり、さらに4cm伸ばすと音が大きくなった。音の干渉だけなら音は小さくなるはずだが、大きくなった。この謎を解明するのが研究のテーマだという。着目したのは「共鳴」。振動しやすい音の高さが合うと、振動が大きくなる現象。クインケ管には共鳴が影響しているのでは?。仮説を確かめるために、音を高さごとに分けて調べるスペクトルを測定。共鳴の証拠を探した。仮説通り共鳴の証拠をとらえた。続いて、干渉と共鳴の影響を踏まえた従来の単純干渉モデルを超えるクインケ管の理論計算ができないか。1次元伝達マトリックス法で、クインケ管のモデル計算を実施した。理論と実験は極小と極大のふるまいがほぼ一致しているがわかった。ファーストジャッジ。山極さん90点、伊沢さん91点、ミラーさん90点、トラウデンさん90点、野口さん89点で計450点。ここから質疑応答。日本物理学会の宮下さんなどから質疑が行われた。山極さん90点、伊沢さん93点、ミラーさん92点、トラウデンさん91点、野口さん92点で合計458点で、第1位。宮下さんは「1番大事なことは教科書を鵜呑みにしてはいけない。」などとコメントした。
唯一1人で決勝に乗り込んできた東京都立大泉高校・小島颯人さん。都内でも最大級の敷地を誇る東京都立大泉高校。全校生徒が探究成果を発表する異b値と「OIZUMI AWARD」が毎年開催されている。今回のイノベーターは頂点に輝いた実力者。腰痛に悩まされて2年生でサッカー部を引退した小島さんの探究心の原点は、折り紙だという。ミウラ折りは、山折りと谷折りを規則正しく組み合わせた特殊な折り方。折り目が連動して動き、紙への負担が少なく破れにくいのだそう。折りたたみ地図などにも活用されている。
小島さんは、透過式ドローン配送の安定性向上を目的としたポリエチレン製ミウラ折り緩衝材の開発を行ってきた。紙製ミウラ折り緩衝材を「Paper-MB」を呼んでいるとのこと。高さ10cmからカセンサーを落とし、衝撃の大きさを計測。既存の緩衝材の約半分に衝撃を抑えることができた。しかし、耐久性・耐水性の問題でポリエチレンに材質を変えた。そして実際の配送に近い落下実験をおこなった。チョークをポリミウラで囲み、パラシュートをつけて高さ5mから落下。その結果、チョークが割れた回数は50回中0本だった。ラストはポリミウラの実力を生実演した。結果は割れなかった。プレゼン得点は、山極さん90点、伊沢さん92点、ミラーさん90点、トラウデンさん93点、野口さん93点で計458点。質疑応答の最後の関門に待つのは、筑波大学・三谷純教授。三谷教授などから質疑応答が行われた。
現在大泉高校は高崎高校と同点。果たして最優秀イノベーターの栄冠に輝くのは。大泉高校の最終得点は、山極さん91点、伊沢さん91点、ミラーさん93点、トラウデンさん95点、野口さん93点で計463点。1位は大泉高校となった。企業賞として、東急不動産ホールディングス賞が送られた。小島さんは「めっちゃ嬉しいです」などとコメントした。
東急不動産ホールディングは、探究に懸ける高校生たちが集結したのは渋谷。決勝への切符を掴み取るために、探究心が火花を散らした。その探究の先に新たな可能性を切り開き、世界をよりよく変えていく9分間のチャレンジがある。挑戦を支える仲間として、共に明るいミライに歩み続ける。東急不動産ホールディングスは、探究するU-18を渋谷から応援し、誰もが自分らしく輝けるミライの実現を目指す。
大会では悔し涙を流していた南陽高校。視線はすでに次のミライへ。この日訪れたのは、大阪大学。SP審査員をつとめた嶋寺教授が彼らを招いてくれた。様々な最先端研究に触れて、竹内さんの探究心がとまらない。高崎高校の3人は早くも次の舞台で大躍進。Q-1後、全国総合文化祭の自然科学部門で最優秀賞文部科学大臣賞を受賞したという。クインケ管を持って訪れたのは、「ニュートンプレス」。彼らの研究が、科学雑誌・Newtonで紹介されることに。科学者としての一歩を踏み出した。最優秀イノベーターに輝いた小島さんは、この日新たな出会いを求めて渋谷へ。TECH Tokyo・ホルヘさんは、世界の研究者企業をつなぐイノベーションのプロ。小島さんの発明に可能性を感じ、企業の経営者や研究者たちを集めてくれた。
