- 出演者
- 大泉洋 さだまさし
今年活動52年目を迎えたさだまさし。SONGSへの出演は今回で11回目で数々の名曲を届けてきた。しかし、これまでさだまさしが制作してきた曲は600以上。今回は、さだまさしの身近な人達がもっと知ってほしいと思っている名曲を紹介する。
活動52年目のさだまさしは50作目のアルバムを発表するという。スタジオには49作のジャケットが並んでいる。一番古いものはグレープ『わすれもの』だという。ほぼ1年に1作アルバムを出していることについて、さだは「勤勉ですね」と話した。今回はさだまさしについて詳しい人たちに隠れた名曲を聞く。
早稲田大学さだまさし研究会は1980年に設立。さだまさしの曲を演奏したり、聖地巡礼を行うなど、さだを研究している。幹事長の伊藤さんは別れをテーマにした名曲『つゆのあとさき』を紹介。伊藤さんは「この曲を聴くと父との別れを思い出す時期があった」と語った。さだまさしは「シングル曲ではないが人気投票をすると上位に上がる曲。包み紙は“卒業ソング”だが、誰にでも当てはまる別れのシーンがある。そういうふうに聴いてくれるのは嬉しい」と話した。
早稲田大学さだまさし研究会の元幹事長・大藪康平さんは海をモチーフにした『黄昏迄』を紹介。大藪さんは「ピアノのイントロが波の音のように聴こえる。長崎の小さなころから染み付いている原体験みたいなものが海にあって、大切な人との思いをしのぶ・感じる場所だと海を思っているのかなと感じる」と語った。さだまさしは「長崎の人間なので海は身近な存在で特別」と話した。
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続いて『今夜も生でさだまさし』でおなじみの放送作家・井上知幸さん。さだまさしの魅力について「人の意表をつくところ、裏切るところ、全部ふくめてずるいところが魅力」とした。井上さんが選んだのは『関白宣言』を元に作られた『関白失脚』。井上さんは「関白宣言した男がどんどん現実に向き合って、奥さんの尻に敷かれて虐げられていく様が描かれていて、聴き進むと家庭と家族を守るために頑張っているかっこいいヒーローが現れ、最後は“がんばれ がんばれ”の大合唱でみんなに送るエールの歌になっていく」と紹介した。さだは「関白宣言が流行っているころからステージでシャレでやっていた。お客さんから言われ続きを作ると情けないお父さん像が出てきて、3コーラス目の“がんばれ がんばれ”はお父さんが自分に言っているがお客さんに受け入れられた」と話した。
さだまさしは『鶴瓶の家族に乾杯』で震災発生から51日後に石巻を訪問。笑福亭鶴瓶さんとともに避難場所になっていた寺を訪問して歌を披露。その時に「“がんばれ”やって」とリクエストされ『関白失脚』を披露した。当時の映像を見てさだまさしは「このあと大人たちは泣くが、子どもたちは笑っていた。歌ってこういうシーンに出くわすことがあるんだと衝撃を受けた」と話した。
続いて名曲を紹介するのは倉田信雄さん。1996年からツアーに参加し30年にわたってさだの音楽を支え続けている。倉田さんが選んだのは『ひと粒の麦 ~Moment~』。アフガニスタンで人道支援に力を尽くし、2019年に銃撃を受けて死去した中村哲さんへの追悼の思いを込めた曲。倉田さんは「こういう人がいたことを何らかの形で伝えるのも自分の使命と強く思っている。音楽の表現はクラシック寄りだが、根底に流れているものはロックを感じる」と紹介した。さだは「中村哲先生の歌を作ろうと思った瞬間にタイトルは思い浮かんだ。ひと粒の麦がどれだけの人を救ってきたか」と話した。
さらに倉田さんは演奏するのが最も困難だという曲『舞姫』を紹介。倉田さんは「テンポの揺れが激しくて、物語の展開に沿ってどんどん変わっていく。いちばん難しい部類に入る」と話した。ライブでの演奏について、さだは「僕の背中の呼吸でみんなやっている。あうんの呼吸でやれるのはライブミュージシャンにとって本当に楽しくてしょうがない一瞬」と話した。
曲作りの原動力について聞かれたさだまさしは「どこにもないものをやりたい。届かないところへ届けたい欲がある」と話した。
600以上の楽曲を制作し、どこにもない音楽を作ることに挑み続けてきたさだまさし。新たな挑戦となった楽曲が『生命の樹 〜Tree of Life〜』。元になったのは“Tree of Life”というギター。このギターでアルバムを作ろうと思っていたときに“Tree of Life Premium”が出て、弾きながら作ったデモテープがそのまま採用になったという。
さだまさしが「生命の樹 〜Tree of Life〜」を披露した。
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