農林水産省はJAグループなどの集荷業者が米を卸売り業者に販売した際の相対取引価格を毎月発表している。先月分の価格がきょう公表され、すべての銘柄の平均で60キロ当たり2万3961円と、去年の同じ月と比べて57%上昇した。これは2006年の調査開始以来最も高い金額で、新米の流通が本格化したことし9月から3か月連続で最高値を更新した。産地別の上昇率を見ると、北海道産のななつぼしが68%、秋田産のあきたこまちが46%などとなっている。米の大幅な値上がりについて農林水産省は、「生産コストの上昇分を販売価格に転嫁する動きが広がっていることに加えて、この夏、米が品薄になってから集荷業者の間で米を多めに確保しようとする動きが続いているためだ」としている。スーパーや飲食店などを通じて広く消費される米の大幅な値上がりは物価全体の上昇にも影響を与えることから、米の価格に対する注目が続いている。