楢葉町はおよそ10年前の2015年の9月に、町の全域で避難指示が解除された。しかしさまざまな理由で町に戻りたいのに戻ることができない人たちの居場所となっている活動がある。和布細工ほのぼのを立ち上げた高原カネ子さんは週に1度集まって着物をリサイクルした小物を作っている。原発事故発生の翌日、楢葉町ではすべての住民が避難を余儀なくされ、30キロ以上離れたいわき市などへ移動。そんな時高原さんが始めたのが仮設住宅の集会所に集まって縫い物をする活動だった。その後2015年9月に避難指示が解除され楢葉町に戻った高原さんたちは活動を再スタートした。現在も23人中、6人がいわき市などの町外から通っている。そのうちの1人、矢内洋子さんは5年前家のあった場所を案内してもらっていた。今も楢葉町には帰らず車でいわき市から通っている。心の支えになったのは離れていても仲間とつながることが出来る縫い物の時間だった。