他にも武田信玄が考案したと言われる治水術がある。聖牛という材木を組み合わせた三角錐の建造物で堤防に設置し水の勢いを弱める効果がある。牛の角のように見えることから名が付いた。磯田さんは「戦争の防御陣地を作るのに似ている。治水工事のチームワークが信玄の強さにつながっている」と解説。Q.信玄が堤防を守るため利用したことは?A.お祭り。おみゆきさんという毎年4月に行われる水防祈願の祭り。「防災はハードウェアで行う防災と気持ちや技術のソフトウェアというハードとソフトの組み合わせが大事」と解説。戦国大名が行った自然を利用した治水の指標というのは実は現代でも効果を発揮している。2019年10月の台風19号によって横浜国際総合競技場周辺が浸水している時の写真。競技場は下が高床式になっていて下の駐車場へ水が入る。水が終わるとすぐにポンプが動いて水の汲み出しが始まって短時間で乾かして使うようにできる。翌日には排水を行って予定通り試合を行った。これは加藤清正の乗越堤に近い発想とのこと。