2010年に経営企画部長に就任して以降、再生可能エネルギーなど新規事業の拡大を進めてきた大和証券G・荻野明彦社長。就任から1ヶ月ほどであおぞら銀行とかんぽ生命、それぞれとの提携を発表。あおぞれ銀行とは、金融商品の提供のほか、法人向けの融資などで連携する方針。かんぽ生命とは資金運用の一部を委託してもらうことで運用力の高度化を進め金融商品やサービス力の向上につなげる。荻野社長は積極的に提携先を開拓する姿勢を強調、リターンが見込める案件であれば、将来的に最大6000億円の資金をM&Aに投じることも可能だという見方も示した。背景にあるのは証券業界の競争激化。歴史的な株高で個人の投資意欲が高まり業界には追い風が吹いているが、顧客獲得の面では二極化が進んでいる。日本株の売買手数料の無料化を打ち出しているSBI証券は、1年で24%も増えたが大和は2%しか増えていない。独自の金融商品の拡充が差別化につながると強調。ただあおぞら銀行への出資を発表した後、株価は大きく下落。その後、新たな中期経営計画などを発表したが、株価は元の水準には戻らなかった。株式市場でリスクの一つとみられているのがあおぞら銀行の株主。アクティビストとして知られる旧村上ファンド系投資会社「シティインデックスイレブンス」が名を連ねていて、あおぞら銀行の経営方針に様々な要求を突きつける可能性がある。これが大和の戦略に影響を与えることにならないのか。大和証券グループ本社・荻野明彦社長は「特定の株主に関しては特にコメントすることはない」とコメント。荻野社長は、提携先の拡大と同時に、提携の効果を示すことが株式市場に再評価される重要な点になるとの認識を示した。
住所: 東京都千代田区霞が関1-3-2
URL: http://www.jp-life.japanpost.jp/
URL: http://www.jp-life.japanpost.jp/