健司さんのもとを時々訪ねてきてくれる元同僚の照勇さんと趣味である漫画の話をするのが唯一健司さんが病気を忘れられる時間。照勇さんは、会うたびに健司さんの悪化する病状を見かねてたばこを減らしてはどうかと切り出した。春休みの終わり、一家は東京に住む健司さんの両親を訪ねることにした。健司さんは両親を介護するため同居していたが、がんが見つかると辛そうな姿を見ながら一緒に暮らすのは忍びないため同居を解消してほしいと言われ家を出た。本では「抗がん剤のつらさよりも、病気によって初めて抱いた、両親への不信感のほうが衝撃は強かった」と綴っている。喜んで一家を迎えてくれた両親に、健司さんは本を渡した。