政府は自民党と公明党がまとめた年収103万円の壁の見直しなどを盛り込んだ来年度の税制改正大綱を閣議決定した。いわゆる年収103万円の壁を見直し、所得税の控除額を20万円引き上げて123万円にするとしている。基礎控除は10万円、給与所得控除は10万円それぞれ引き上げ、年末調整で対応する形で来年から実施する。大学生などを扶養する世帯の税負担を軽減する特定扶養控除については、この年収要件を今の103万円から150万円に引き上げるとしている。また防衛財源の確保のための増税は与党の大綱で所得税の開始時期の決定が先送りされたことを受け、法人税とたばこ税について再来年4月からの実施を明記した。このほか子育て世帯などに対する住宅ローン減税の優遇措置の延長や、個人型の確定拠出年金「iDeCo」の掛金の限度額の引き上げ、中小企業の軽減税率の延長などが盛り込まれている。政府は税制関連法案を来年の通常国会に提出することにしているが、年収103万円の壁については自民公明両党と国民民主党との間で引き続き協議が行われる見込み。