加藤シゲアキ最新作「なれのはて」。好きな絵があるんです。ある事件をきっかけに報道局から異動したテレビ局員の守谷京斗は、イベント事業部で出会った吾妻李久美から、一枚の絵を見せられる。その絵の不思議な魅力に惹かれた守谷は、あるイベントを企画。無名の天才「イサム・イノマタ たった一枚の展覧会」。しかし、使用許可を得ようにも、作者も権利継承者もわからない。手がかりは絵の裏に書かれたサインだけ。どんな人物なのか、どんな人生を歩んできたのか、なぜ絵を描くに至ったか、この画家を知りたい。元記者の知見を活かし、守谷は謎の画家の正体を探り始める。そして舞台は秋田へ。やがてたどり着いたのは、日本最後の空襲。そして、ある一族が隠した秘密だった。死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物の成れの果てだ。一枚の絵を巡り交錯する壮大なミステリー。作家・加藤シゲアキの第二章を彩る、史実に基づく長編小説。