1946年、アマチュアの考古学研究者・相澤忠洋さんが通りがかった崖から石器を発見。日本に縄文時代より前の旧石器時代があったことを初めて証明したのが岩宿遺跡だ。群馬・みどり市の岩宿博物館では考古学や博物館を愛する地元の皆さんで作られたサークルが体験を通して古代文化の魅力を発信。そのうちの1つが古代料理だという。旧石器時代や縄文時代をはじめとした古代の人が食べていた料理を想像して考案した。古代料理は材料だけでなく作り方も当時の方法を再現している。パンに練り込むどんぐりは、石で割って、すりつぶし、いのしし汁は土器で煮込む。土器も手作りだ。そして今回、私も体験させてもらったのが石器を使って肉を切る体験。博物館によると、なんと黒曜石の石器は現代の医療用のメスよりも刃先が滑らかで鋭いという。切った肉の味付けは塩だけ。野菜と一緒に葉で包んで、熱した石で蒸していく。旧石器時代の遺跡からはこのような焼け石をたびたび発見。こうして調理していたと学術的にも考察されている。準備から調理体験も含めおよそ2時間半で古代を満喫できる古代料理のフルコースが完成した。古代米は地元ボランティアと協力し子どもたちの農業体験として博物館の敷地で栽培されたもので、料理体験は岩宿博物館を通じて申し込むことができるという。