「りぼん」を発行する集英社に新人まんが家の杜河美南さんが打ち合わせに訪れていた。担当する編集者がアドバイスを送り共に作品を作り上げていく。編集部が大切にしてきたのが登場人物の心情の変化を定年に描くこと。明治大学教授の藤本由香里さんは、りぼんの歴史から戦後日本の女性が歩んだ足跡が見えてくると指摘する。1955年の創刊から連載を主に担っていたのは男性の作家たちだった。変化が起きたのは1970年頃、社会では女性の権利向上を目指すウーマンリブが始まっていた。この時期、戦後生まれの女性たちが次々連載を開始した。恋愛ものが中心になってくるのは戦後生まれの若い作家が描き始めてから。1990年代には自分の人生は自分で選ぶという自立した主人公が描かれるなど常に時代の女性像を反映させてきた。中学生の時に学校生活に馴染めず苦しんでいた井上そらさんは「となりはふつうのニジカ(ちゃん)」を読み周囲と同じでなくても良いと考えるようになったという。杜河美南さんは、誰かの相棒じゃないですけどそういうふうになれるマンガを描けるマンガ家になりたいと思っていますと語った。