アメリカのアイダホ州とウェストバージニア州はトランスジェンダーの選手が女子競技に参加することを州の法律で禁止している。これに対して学生たちは、憲法に違反するなどとして訴訟を起こしていた。認めるべきではないとする意見の人たちは、身体能力的に優位で一緒に競うことは公平でないとの考えを持っている。認めるべきとする人たちは、性的マイノリティーへの差別的な法律だと考えている。連邦最高裁判所の判断では、出生地主義の性別によって参加可能か決めるべきと州の法律を容認する判断を示した。デューク大学のドリアン・コールマン教授は、「トランスジェンダーの女性が男性ホルモンを抑制する療法などを受けた際に身体的な優位性をどの程度維持できるのかという現在も続く論争には決着をつけられないかもしれない」としている。アメリカでの判断が今後国内外に影響する可能性も指摘されている。その理由の1つが、各国でもすでに議論が行われている点。近年は身体的優位性を懸念する声が強まり、認めるべきではないという意見も広がり始めている。アメリカの27州やNCAAでは生物学的男性による女子競技への参加を禁止している。世界陸連は、男子として思春期を過ごしたトランスジェンダー選手の女子の国際大会への参加を認めていない。国際水泳連盟は12歳より前に男性として思春期の影響を受けていないことを証明できた場合のみ女子競技への参加を認める。IOCは2028年開催のロサンゼルスオリンピックはで女子種目への参加資格を生物学上の女性に限定し、性別確認の遺伝子検査を実施するとしている。現在の流れは、トランスジェンダーの権利は尊重するも女子競技への参加については出生時の性別を重視している。
