今月1日、奈良県立医科大学は、輸血用の血液を人工的に作ることに成功したと発表した。実用化されれば、世界初となる。この「人工赤血球」について、酒井は、酸素に触れていないため、静脈の色に近く、紫色になっているなどとし、原料となるヘモグロビンには毒性があるが、カプセル化して毒性をなくす過程が難しいなどと話した。廃棄せざるを得ない献血の赤血球から、ヘモグロビンを抽出し、人工の脂質膜でヘモグロビンをカプセル化することで、投与可能な人工赤血球ができる。最終的には、体内で分解され、排出される。酒井は、赤血球の膜を完全に除去するため、血液型がなくなるし、ウイルスなども不活化や除去することができ、得られた安全なヘモグロビンを濃縮して、カプセル化しているなどと話した。輸血では、血液検査が必要なため、迅速な処置が難しかったが、人工赤血球の場合、どの血液型にも使えるため、迅速に処置できる。献血は、冷蔵で、採血後28日間保存できるが、人工赤血球の場合、酸素を除去していて、安定しているため、常温で2年間、冷蔵で5年間保存でき、備蓄が可能だという。酒井は、HIVなど既知のウイルスはチェックできるが、未知のウイルスもあり得る、そうしたウイルスも不活化できるような過酷な加工を行っているため、人工赤血球にはウイルスが全くないなどと話した。