盛り上がりを見せたのは岡山市。岡が体操を始めたのは4歳。通っていた体操スクールでは地元の強豪・関西高校の体育館で高校生に交じって練習をしていた。五輪を目指すため岡が中学卒業後に選んだのは徳洲会体操クラブ。世界ジュニア選手権で当時15歳の岡は個人総合の金を含む4つのメダルを獲得。身長139cmと表彰台でも小さく小さな巨人と呼ばれていた。しかし2年前の全日本選手権、右膝の前十字靭帯断裂という大怪我を負う。全治8ヶ月、長期離脱を余儀なくされるが、けがをした後上半身の強化を行い課題とされていたつり輪で力業が出来るようになった。チームメートの藤巻選手は岡選手と同じ大会の跳馬で同じけがをした。そんな藤巻選手から見て、岡選手は楽しそうに演技をしていたという。中学生のときに着地をビシッと決めたいと公言していた岡選手、有言実行で世界の頂点に立った。岡選手の金メダル獲得を受けて、靭帯の手術を執刀した林医師は「昔は靭帯を切った選手には引退を告げなければならなかったが、金メダルをとれるくらいだから大丈夫と言えるのが嬉しい」と語ってくれた。