2006年、島根県在住の50代女性はある日腕にひどい蕁麻疹が出た。病院を受診するも蕁麻疹の7~8割は原因がわからないとされており、駐車と飲み薬で症状が落ち着いたため検査はされなかった。1か月後、再び激しい蕁麻疹に襲われ飲み薬で収まった。その2か月後も再び発症し、検査をすると牛肉、豚肉のアレルギー反応とわかった。肉を控えると症状は出なかったが、その後アナフィラキシーショックを起こした。一命は取り留めたが、肉以外の食材にもアレルギーの発症が疑われた。しかし魚や他の食材に対するアレルギーは出なかった。詳しい検査の結果、子持ちカレイの煮付けが原因とわかった。交差反応と言われるもので、アレルギーの原因物質と構造が似た別の物質にもアレルギー反応を起こしてしまうこと。女性が発症していた肉アレルギーは「α-Gal」という物質に反応するものです、カレイの卵にはよく似た物質が含まれていた。ただそれまで平気だった肉に対してアレルギーを発症してしまったことが女性は疑問だった。女性がアレルギーを発症した原因は飼い犬についたマダニなどに噛まれ体内にα-Galが侵入したことが原因と考えられた。また血液型がB型、AB型の人が持つ物質はα-Galに似ているため異物とみなされアレルギーになりにくい。そのため夫は肉アレルギーにならなかった。日本全国でマダニによる肉アレルギーの患者数が増えている。そのほかに金属アレルギーや日光蕁麻疹といったアレルギー反応もある。