アフリカを代表する経済大国であり、人種隔離政策アパルトヘイトを乗り越えたことで知られる南アフリカでは、ネルソン・マンデラ氏が率いてきた与党・ANCが国民の絶対的支持を得てきた。しかし、その一方で失業率は30%を超え、貧困に苦しむ家庭の姿も見られる。南アフリカは現在電力不足が問題となっていて、信号の電気も使えないなど1日で300日近く停電の日が発生してしまっていて、住民は電気があれば野菜のために使える金がろうそくなどに消えてしまっていると訴えているが、電力不足の背景には国営電力会社とANCの癒着もあるものとみられる。最大野党で白人が代表のDAは黒人が8割を占める中で21%の支持率を有するが頭打ちとみられ、第2野党のEFFが注目を集めているという。EFFは国の80%を占める黒人が国土の7%しか持っていないことを理由に白人の土地の強制収容を主張していて、支持者からは上の世代は未だにANCが国民のために闘ってくれると幻想を抱いているなどの声が聞かれた。南アフリカ総選挙は29日投票となるが、ANCは過半数割れになるとの見方もあるという。