全身の筋力が衰えていく病気を患っている熊本市の大学4年生の山本栞奈さんを取材。18歳まで熊本市内の児童養護施設で育った。高校卒業後体に異変を感じるようになり全身の筋力が衰えていく病気であることが分かった。入退院を繰り返す中で福祉を学びたいとの思いが強くなり、周囲のサポートを受けながら大学に通っている。病状が悪化したおととし12月、医師から気管切開の手術の必要性を伝えられた。手術を受けると今までどおり話すことは難しくなる。去年3月、今の声を失ったときに備えて自分の声を録音しAIで合成した自分の声で会話ができるよう準備してきた。障害者支援を行う合志市の企業や東京のIT企業が、自分の声を残したい女性の思いに応えた。収録から1年が経った、ことし4月、音声アプリが完成し栞奈さんに届けられた。唯一自由に動かすことができる右手の親指を使って操作しやすいよう開発された。いつか手術を受けて声を失ったとしてもアプリを使って自分の声で思いを伝えていきたいと考えている。栞奈さんは「やっぱり声を残せてよかったなって思います。つらいこともたくさんあると思うんですけどきょうよりあしたひとつでも笑うことができたらいいな」と話した。栞奈さんは自分の経験を子どもたちに伝える座談会活動も行っている。企業によるとこのアプリは栞奈さんのために作られアクセントや音の高さなどAIが解析して表現している。