昨年訪れた愛媛県のポツンと一軒家を再訪し、主のベンジャミンさん昌美さん夫婦に話を聞いた。今はアボカド作りのための温室を作っていた。17年前にアメリカから来日したベンジャミンさんは居合や剣術を習得し、茅葺き道場で古武術を指導している。ベンジャミンさんが主宰する自然道は、武道・農業・建築を一体にした総合武術で、現在道場生は11人になった。6年前に棚田を買い取って茅葺き屋根の道場を作った。この棚田で稲作をしていた清華さんは、夫婦に米作りを伝授した。裏山の檜を200本切って道場の建材に使った。住宅の建築現場に手伝いに行き、ほぞの切り方や組み方など大工の技を習得した。茅葺きを提案したのは昌美さんで、茅葺き職人養成講座に夫婦で申し込んだ。総勢16人で道場の茅葺き作業が始まり、夫婦で4年かけて集めた茅1800束を使って円錐形の茅葺き屋根が完成した。