アメリカのトランプ大統領が大規模な減税策を盛り込んだ法案に署名して成立させたことに対し、この法律を批判してきたイーロン・マスク氏はSNSで新たな政党の立ち上げについて賛否を問うアンケートを実施し、賛成が多かったとして「アメリカ党」という新たな党を立ち上げることを明らかにした。来年の中間選挙を見据えてトランプ大統領や与党・共和党を牽制する狙いがあるとみられている。1か月前、人目を引く仲違いをした後、マスク氏は弁解を表明し行動を控えていた。議会で可決されトランプ大統領が華々しく署名に臨んだ予算に関する法律に承服していなかった。予算カットを担当していたマスク氏の目には高すぎる予算と映った。マスク氏が「共和党にとってあの法律は自殺的行為である」と批判を繰り返したため、トランプ大統領はマスク氏の企業と政府の間で交わされている多数の契約を停止すると脅しをかけている。アメリカでは新党結成には長く複雑で金のかかるプロセスが待ち受けるが、来年中間選挙を視野に入れる世界一の富豪にとって手の届かない目標ではない。政治学者は「マスク氏は3つか4つの州の上院議員選挙と下院の選挙のごく一部に労力を集中させようとしている。トランプ氏の議会の多数派を危機に陥れるため、投票に重みをもたせようとの手法。一方、南アフリカ出身のマスク氏はアメリカで生まれていることが条件となる大統領選挙には立候補することはできない。。トランプ大統領はマスク氏の国籍を剥奪し、出身国に追放するとの脅しもかけている」と話した。