米国大統領選挙に向けた野党共和党の全国党大会は最終日を迎え、党の大統領候補に正式に指名されたトランプ前大統領がこの後、演説を行う。党大火の会場から中継。党大会が始まる2日前に銃撃されたトランプ氏は、これまで会場に毎日姿を見せていたが、党大会での発言は初めてとなる。トランプ氏は事件の後、演説は国民を団結させる機会になるという考えを示している。陣営の関係者はトランプ氏が自ら演説の内容を大幅に書き直したことを明らかにし、事件後のトランプ氏の心の内を表現するものになっているという。トランプ氏としては、暴力に屈しない強い指導者像をアピールするとともに、これまで自身と距離を置いてきた党内の穏健派や無党派層も含めて、国民の団結を呼びかけるものとみられる。民主党のバイデン大統領が選挙戦からの撤退圧力にさらされる中、共和党としては党大会のハイライトとなるトランプ氏の指名受託演説で結束を固め、選挙戦に弾みをつけたい考え。その一方、選挙結果を左右すると言われるペンシルベニア州やウィスコンシン州など製造業が盛んな地域を強く意識して、米国第一主義のもと国内の製造業や労働者を守り抜くというメッセージも打ち出すものとみられる。初日に採択された党の政策綱領や前日に行われた副大統領候補・バンス氏の指名受託演説でも、こうした姿勢が色濃く反映されていた。日本を含む世界各国にとっては米国第一主義は外交、安全保障、貿易に大きな影響を及ぼすだけに、この後の演説で具体的な方向性が明らかになるのかという点も注目されている。