ハリス氏を支持するシンボルとして若者の間で急速に広まっているのがココナッツの絵文字。「あなたはココナッツみたいにただ木から落ちてきたわけじゃないのよ」と母親にさとされたエピソードを紹介するときのハリス氏の楽しげな表情などが若者たちの心をつかんでいる。母親はインド出身でがんの研究者で、父親はジャマイカ出身で経済学者。ハリス氏は移民2世としてカリフォルニア州に生まれ、両親の離婚後母親に育てられた。政治の世界に入る前は検察官としてキャリアをスタートし、黒人女性としては初めて州の司法長官にまで上り詰め、警察官の暴力を抑止するため全米で初めて警察官にボディーカメラの装着を義務づけた。2016年に上院議員に当選し、バイデン政権で副大統領に指名された。黒人・女性・アジア系のいずれにおいても初めて。人気が低迷した原因のひとつが、不法移民対策。不法移民の数は過去最多を記録し、トランプ氏の攻撃材料にもなった。また副大統領室ではひどい扱いを受けたと辞任するスタッフが相次ぎ統率力を疑問視する見方も出ていた。最新の世論調査ではバイデン氏よりもトランプ氏との差が縮まっていて、若者に限ってみるとトランプ氏を逆転している。民主党は8月7日までに正式指名する見通しで、トランプ氏との討論会が9月17日に提案されている。