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「アメリカ軍」 のテレビ露出情報

広島赤十字病院の当時の建物の一部が市内に残る。今回見つかった資料や証言をもとに病院内の日々を再現してたどる。1945年8月6日、当時、広島赤十字病院に在籍していた職員は554人。従軍していた職員を補うため、10代の看護学生たちも現場に立っていた。病院は陸軍の管轄に置かれ、入院していたのは戦地で負傷した兵士など250人の軍人だった。初代院長を務めていた竹内釼は東京帝国大学を卒業し、日本トップレベルの外科の軍医として指導的な立場にあった。広島赤十字病院はコンクリート造りの建物だったため倒壊は免れたが、爆風により内部は原形をとどめないほど破壊された。竹内は落下物の下敷きとなり、意識不明となっていたところ部下たちに救出された。
554人いた医療従事者は250人が重軽傷を負い、51人が亡くなった。とりわけ被害が大きかったのが看護学生で、22人が亡くなった。甚大な被害を受けた赤十字病院だが、倒壊を免れたこの建物を目指し、多くの市民が逃れてきた。敷地内にあった木造の寮が倒壊。看護学生だった女性は病院の炊事場で被爆したが、奇跡的にけがはなく、すぐ救護に当たった。被爆者たちはどのような症状を訴え、医師たちはどう対処していたのか。広島赤十字病院で治療を受けた601人に及ぶ軍患者の病床日誌が見つかった。被爆直後から爆心地付近で行われた医療の詳細な記録はこれまでに例がないものだった。最初期の記録は病院の中で被爆した患者のもの。その後、爆心地付近で被爆した人たちが次々と運び込まれた。多くが外で被爆したとみられ、重いやけどを負い、亡くなっていったことが記されている。次々と亡くなる患者を看護学生らが荼毘にふしていった。
更に医療従事者たちを悩ませる事態も起きていた。放射線、熱線、爆風により深刻な被害を与えた原子爆弾。死因の分類は後の調査で熱線や火災によるやけどが6割、爆風による外傷が2割、放射線障害が2割とされている。今回見つかった病床日誌には統計的には分類し切れない複合的な影響も克明に記録されていた。病床日誌の内容を原爆症や緊急被爆医療に詳しい医師や研究者と分析した。
病床日誌には当時の医師たちを混乱させた症状も記されていた。陸軍一等兵の男性は病院で入院中に被爆。赤痢を思わせる下痢が現れ隔離がなされたが記されていた症状の詳細は下痢とは言い切れないものだった。研究が進んだ現在では被爆後の下痢は放射線の影響を疑うようになっている。隔離された男性は被爆から13日後に容態が急変。牙関緊急が見られるようになり、破傷風菌の感染症だと判明。破傷風菌が爆風によって地上に現れ体内に侵入したと見られる。
病床日誌に記録が残る601人のうち2週間のうちに亡くなっていたのは70人。その一つ一つに懸命に命をつなごうとする闘いがあった。全身に7か所の骨折を負いながら被爆直後から現場の指揮を執った病院長の竹内釼にはもう一つの闘いがあった。終戦の頃から日々書き留めていた手帳には病院を復旧するため、さまざまな手を尽くしていたことが記されていた。被爆から3週間余りがたった8月30日、竹内はこの日訪れた外国人に医療支援をあおいでいた。スイス人・フリッツビルフィンガーは国際赤十字委員会駐日代表部の職員。連合国軍に先駆けて広島の視察に訪れたビルフィンガーはその時の様子を報告書に記していた。ビルフィンガーはその日のうちに国際赤十字委員会駐日首席代表・マルセルジュノーへ電報を打ち支援を求めた。竹内自身も医療現場の窮状を広く知らせようと動いていた。9月に入り昭和天皇は自らの代理として広島に侍従・永積寅彦を派遣。竹内は広島赤十字病院を慰問した永積に対し病院の置かれた状況をまとめた報告書を手渡していた。医療従事者の半数以上を失っている苦境を伝えていた。被爆から1か月、竹内が求めていた医療支援が届いた。ビルフィンガーから電報を受け取った国際赤十字委員会駐日首席代表・マルセルジュノーが病院を訪れた。GHQの協力を取り付け米国軍の医薬品を広島に届けに来た。ジュノーは支援の継続も表明。広島はようやく国際的な支援とつながった。この時から広島の街では米国の軍人や科学者たちが調査を始めた。広島県医師会の映像。
復旧に向けて歩み始めたかに見えた病院だが、国家の思惑に翻弄されることになる。9月18日、国際赤十字委員会・ジュノーは広島視察の報告書をまとめ継続的な支援が必要だとGHQの大佐・クロフォードサムスに対し訴えた。当初、米国軍の医薬品15トンを提供することに協力したサムスだが、ジュノーが訴えた追加の支援に応じることはなかった。原爆の効果を調査するために広島に入りたかった米国は実現した今、医療支援を継続する必要性はなくなっていた。GHQは9月19日「プレスコード」を発表。原爆について批判的な報道は封印されるようになっていく。被爆の実相が隠される中、日本政府も10年以上にわたって本格的な医療支援を行うことはなかった。世界の支援も日本の支援も届かない中、現場の医療従事者たちの闘いは続いていた。皮膚の出血斑や脱毛、歯茎からの出血などの症状が放射線によるものであることが徐々に明らかになっていたが、それでもなお理解のできない症状が記されている。
被爆から63日後、若い医師が病室で自ら命を絶った。1945年の終わりまでに広島では14万人が亡くなったとされている。病床日誌に記されていた601人の患者のうち158人が亡くなった。残りの多くは軍の解体に伴い、退院を余儀なくされ、その後の足跡は分かっていない。被爆から3年後、病院の復旧存続のために力を注いでいた竹内釼は米国の研究者と関係を築いていた。米国が設置したABCC(原爆傷害調査委員会)の会議の内容がメモされていた。米国は血液病やケロイドなど原爆の健康影響について研究を進めようとしていた。竹内は広島での研究拠点を探しに来た米国の研究者らと面会。赤十字病院の3つの部屋をABCCに明け渡すことに応じた。竹内の協力を得て広島での研究を始めた米国の目的はあくまで自国のためだった。
データを機密情報とし、被爆者の治療に役立てなかった米国。昭和23年の暮れ竹内は病院を去った。辞職願が残されていた。原爆投下の1年前、竹内は病院で一冊の医学書を書き上げていた。かつて竹内自身が医学の発展に寄与すると説いた戦争。その末に行き着いた原爆に対し医療は無力だった。竹内は退職後、故郷の九州に帰ることなく、広島にとどまり開業医となった。原爆医療の研究に取り組み出した地元の医師たちを支えていった。被爆後の体験を語ることはほとんどなく、1974年、84歳で生涯を終えた。現在の広島赤十字原爆病院。今なお医療従事者たちは放射線が人体に与えた傷と闘い、被爆者の治療を続けている。今年、戦禍で救護を続けるウクライナの医療従事者がやって来た。

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