イギリスがチャゴス諸島の返還を受け入れた背景には、強制移住された住民が訴訟を起こしたことでアフリカ諸国でも批判の声が強まっていること、イギリスのEU離脱後はヨーロッパの国々も統治を支持しなくなったことがある。また、2019年には国際司法裁判所が返還を勧告し、国連総会でも統治を辞めるよう求める決議が採択されていた。BBCはイギリスとアフリカ諸国との間にある障壁を取り除く必要があったと報じているが、チャゴス諸島はアメリカのアフガニスタンへの空爆やイラク戦争の拠点としての役割も持っていた。中国の脅威や中東情勢の緊迫の中、イギリスは領有権と引き換えに要衝の維持を図った形となっている。