今年は戦後80年。NNN各局では今を戦前にさせないため戦争の記憶を伝えるプロジェクトを展開している。 終結80年を迎える中、国会議員が「歴史の書き換えだ」と主張したり、政党の代表が「日本軍が沖縄の人たちを殺したわけではない」と発言している。沖縄戦での「集団自決」について証言者たちが語る事実を見つめる。
報道写真家の山城博明さんは沖縄での集団自決の生存者たちとその傷痕を写真に収めている。沖縄・名護市に住む小嶺達雄さんも集団自決による傷を負った。頭を父親に殴られた痕は「今でも押さえると痛い」と話す。なぜ集団自決が行われたのか。住民は学校や日本兵などから教え込まれていたことがあったといい、それは「アメリカ兵に捕まったら暴行されて殺される。捕虜になる前に自分で死になさい」ということだったという。祖父母が「集団自決」生存者で座間味島出身の宮城晴美さんは集団自決を長年調査し、犠牲者のおよそ8割が女性と子どもだったことがわかった。宮城さんは「軍の命令の代行として家長が家族に手をかけた。家父長制が背景にあるとわかった」としている。月曜日、沖縄全戦没者追悼式が行われたが、過去には県民にとって記憶の継承を脅かされる出来事があった。2006年度文部科学省による高校の日本史の教科書検定で「集団自決」をめぐり「日本軍の強制」という記述が削除された。日本史の教科書の執筆に携わってきた石山久男さんは文部科学省から記述の修正を求められたと話している。背景には元日本軍守備隊長らが作家・大江健三郎さんら を訴えた裁判がある。石山久男さんは「歴史の真実、実際の姿をはっきり書くべきだ」と話している。最高裁では「軍が深く関わったことは否定できない」との判決が確定したが、文部科学省はいまも見解を変えておらず「集団自決された沖縄の住民全てに対して自決の軍命令が下されたか否かを断定できない」としている。事実を変えてはならないと証言を始めた体験車もいる。
報道写真家の山城博明さんは沖縄での集団自決の生存者たちとその傷痕を写真に収めている。沖縄・名護市に住む小嶺達雄さんも集団自決による傷を負った。頭を父親に殴られた痕は「今でも押さえると痛い」と話す。なぜ集団自決が行われたのか。住民は学校や日本兵などから教え込まれていたことがあったといい、それは「アメリカ兵に捕まったら暴行されて殺される。捕虜になる前に自分で死になさい」ということだったという。祖父母が「集団自決」生存者で座間味島出身の宮城晴美さんは集団自決を長年調査し、犠牲者のおよそ8割が女性と子どもだったことがわかった。宮城さんは「軍の命令の代行として家長が家族に手をかけた。家父長制が背景にあるとわかった」としている。月曜日、沖縄全戦没者追悼式が行われたが、過去には県民にとって記憶の継承を脅かされる出来事があった。2006年度文部科学省による高校の日本史の教科書検定で「集団自決」をめぐり「日本軍の強制」という記述が削除された。日本史の教科書の執筆に携わってきた石山久男さんは文部科学省から記述の修正を求められたと話している。背景には元日本軍守備隊長らが作家・大江健三郎さんら を訴えた裁判がある。石山久男さんは「歴史の真実、実際の姿をはっきり書くべきだ」と話している。最高裁では「軍が深く関わったことは否定できない」との判決が確定したが、文部科学省はいまも見解を変えておらず「集団自決された沖縄の住民全てに対して自決の軍命令が下されたか否かを断定できない」としている。事実を変えてはならないと証言を始めた体験車もいる。