埼玉の夕子さんから約70年前のアメリカ製トースターの修理依頼が入った。夕子さんが生まれる前にアメリカ陸軍だった父ヘンリーさんが三沢基地で購入したもので、母さたさんが定期的に手入れをしていた。10年以上前に動かなくなったと母から聞かされ、修理業者をあたっても部品がないなどの理由で断られたという。アメリカ製トースターの修理は初めての今井さんは、まずトースターの中にパンを入れ機械の仕組みを確認しようとしたがわからなかった。ヒーターも熱くなる気配がないため、分解して確認すると、壊さないと取り外せないリベットという留め具が使われていた。トースターは壊れたら買い替えるのが一般的で、修理することを前提に作られていなかった。電気回路に異常が見つかり、今井さんは機械内部で断線しヒーターが動作していないと予想した。内部の断線を発見し、機会を分解して断線部分を修理した。新品の銅線を付け替えると、トースター内部に電気が通るようになった。すると自動でパンが中に入っていく仕組みだとわかった。パンが焼けると機械が温度を検知して電源オフになり、パンが機械から出てくる。修理代金は1万2000円だった。
