ハーバード大学では鍼灸に及ぼす効果やメカニズムの研究が行われている。コン准教授は慢性痛を改善する鍼治療のメカニズムを解き明かした。慢性痛になると脳に異変が起き痛みを過剰に感じるようになることがある。鍼治療が慢性腰痛の患者の脳に及ぼす効果を調べるため4週間の鍼治療を実施すると、痛みを抑えるPAGと呼ばれる部位を中心とする痛みを調節する機能が改善された。イギリスでは鍼灸がうつ病に使われるケースも広がっている。合谷や内関、百会などを刺激することで低下した脳の働きが改善されることがわかってきた。750人のうつ病患者を対象にした研究で症状の改善効果が検証されている。通常の治療のグループに比べて通常治療に鍼治療を加えたグループでは改善効果が高くなることがわかった。