セブン&アイホールディングスが、カナダのコンビニ大手・アリマンタションクシュタールから買収提案を受けている問題で、きのう取締役会を開いた。この中で、クシュタール社が示した買収金額がセブン&アイの企業価値に見合っていないなどとして、現時点では提案は受け入れられないなどとする意見をまとめたという。こうした内容を相手側に伝え、その回答などを受けて提案を受け入れるかどうか判断するものとみられる。クシュタール社はカナダに本社を置き、カナダ、米国、ヨーロッパなどおよそ30の国と地域でコンビニやガソリンスタンドなどの事業を展開し、売り上げは日本円にするとおよそ10兆円に上る。買収のねらいについて、桃山学院大学経営学部・小嶌正稔教授は「米国大都市のほとんどにセブン&アイは店を持っていて、非常に大きな店舗網を持っている。それを一挙に手に入れることができる。米国でイニシアチブ(主導権)を握るためにセブン&アイとクシュタールが一緒になるのは、クシュタールにとってみれば大きなメリットがあると判断したと思う」と述べた。今後のセブン&アイ側の判断のポイントは何になるか。クシュタール社が買収提案を行った背景、そして日本のコンビニ事業へどんな関心を持っているかなどを見極めたいとしている。今後のやり取りの結果、どのような判断を行うか注目される。