治療にアプリを活用することで国の財政にも効果があるという。高血圧は様々な疾患の要因になることで知られているが、その1つに慢性腎臓病がある。腎臓は沈黙の臓器と呼ばれ、自覚症状が出にくく症状が悪化すると透析治療が必要となる場合があるという。全国腎臓病協議会によると、透析治療の1か月の治療費は約40万円に上るという。自己負担額は高額療養費制度が適用され2万円以下に抑えられるというが、こうした患者が将来的に増加すれば社会保障費を圧迫することになる。過去2年間に200人以上に高血圧アプリを処方した実績をもつみなみ野循環器病院の理事長は、アプリはあくまで治療の補助的な役割だが、生活習慣の見直しや血圧管理の習慣化に繋がり、薬の量を減らすことに繋がる場合もあるという。さらに将来的には日本の医療費全体の削減に繋がるのではと話している。末延さんは、「最近言われてるのは要するに予防医療。本当に医療費のマイナスに繋がっていくのかというデータを検証しながらどこまでの範囲を公的医療でやるかという議論は常にやっていかないといけない」などと述べた。