小型ロケット「カイロス」が和歌山県串本町の民間ロケット発射場から午前11時1分に打ち上げられ発射の数秒後に爆発した。澤岡昭氏は「ロケット自身が爆発したのではなく、異常を検知して自爆したものとみられる。プログラム通りだったと思う」と話す。軌道は設計通りだったといい、ロケットの傾きが原因とは必ずしもいえない。カイロスは全長約18m、重さ約23トン、燃料は固体燃料式。JAXAの小型ロケット「イプシロンS」よりひとまわり小さく、コストを下げ短期間での打ち上げが可能だという。今回のロケットには内閣衛星情報センターの情報収集衛星を搭載していた。民間ロケットに政府の人工衛星を搭載し軌道への投入が成功すれば日本初だった。午後2時の会見で「スペースワン」は、原因を調査中としていて、爆発は「自律飛行安全システム」が不具合を検知し自ら飛行中断措置を実施したとしている。破片は敷地内に落下し、火災も鎮火したため第三者の被害は起きなかった。澤岡氏は「イプシロンSのときの爆発と原因は一緒ではないかと推測する。点火してから10秒以内に爆発したことや、燃料の種類、形などが全く同じ。前回同様、点火装置が溶けて他のところに火を着けてしまったのでは」と述べた。カイロスは2021年度打ち上げからこれまで5回延期されている。この延期は今回の爆発には影響しないという。宇宙ビジネスの市場拡大をにらみ、国内の宇宙スタートアップ企業は85社、大企業や異業種からの参入は119社に上っている。