イラン大統領選挙の投票が開始。ヘリコプター墜落事故によるライシ大統領の急死を受けて行われる。アフマディネジャド元大統領は退任後、ほぼ毎日市民と対話を続け貧困層を中心に多数の熱狂的支持者が多い。在任中は強硬路線だった。現体制には批判的とみられ、今回の大統領選では有力候補の1人も事前審査で失格。護憲評議会はハメネイ師の影響下にあるとされる。「反米」「中国、ロシアとの協力重視」の体制に近い保守強硬派立候補は複数出馬を認められる。穏健派や改革派の有力者は次々失格となっため市民の不満は高まっている。護憲評議会・報道官は「立候補者がどういった政治的な立場をとっているのかは勘案しない。いかなる政治グループとの繋がりもない」と述べた。審査にハメネイ師の意向が反映されているのか?との指摘について「外からの圧力に影響されることはない」。ある候補の躍進が注目されている。唯一の改革派の候補・ペゼシュキアン元保健相は「経済制裁を終わらせなければならない」。国際協調を訴え、欧米などとの対話に前向きな姿勢を強調している。知名度の低さが指摘されているが、現体制に不満を抱く市民の支持を取り込む。選挙権のない若者にも浸透しつつある。過半数を得た候補がいない場合、来月決戦投票となる。