イランはアラビアプレートと呼ばれる岩盤がユーラシアプレートに衝突する場所にあるため、地震活動が活発で、これまでに大きな地震がたびたび発生。1990年に起きたイラン北西部のルードバール地震や2003年のイラン南東部地震など死者が数万人ののぼる被害も出ている。イランの防災に日本の震災の教訓が生かされている。30年前、イラン人の研究者が撮影した阪神・淡路大震災の当時の映像がある。この映像と自らの体験を母国で活かし、対策の実現につなげている。 地震発生直後からビデオカメラを回していたイランの大学で地震工学を研究しているネマト・ハサニ教授。30年前、地震工学を学ぶために神戸に留学中に被災した。映像に多く記録されているのは水道管やガス管などのインフラ設備。ハサニさんが撮影を続けたのは研究者としての使命から、インフラがどのように壊れ、どう復旧を進めたのかあとから検証するためだった。当時、妻と子どもたちと4人で集合住宅で暮らしていた。自らの被災状況も撮影。特に困ったのが水の確保だった。断水が解消されるまでの約1ヶ月半、近くの市民プールから水を汲んで運んでいたという。
帰国後は技術者・研究者の育成に力を注いでいる。震災から30年になるのを前に行った講義では、自ら撮影した映像を教材として使用。自らの体験を元に、地下にパイプを埋設する水道やガスは電気や電話と比べ復旧に時間がかかることなどを説明。活動は大学内にとどまらず、首都テヘランの防災にも取り組んでいる。ハサニさんが案内したマンホール。地下には10万リットルの水が入ったタンクが埋められていて、緊急時には1万人に3日間飲水を提供できる。ハサニさんがこれまで水道局に訴え、市内の約150カ所に設置された。取り組みは他の自治体にも広がりつつある。別の街でタンク設置に関わる企業から助言を求められたハサニさん。備えを進める上で考慮すべきことなどをアドバイス。防災は誰かに任せることではなくみんなで取り組むこと。これが日本の震災で学んだ教訓だという。
帰国後は技術者・研究者の育成に力を注いでいる。震災から30年になるのを前に行った講義では、自ら撮影した映像を教材として使用。自らの体験を元に、地下にパイプを埋設する水道やガスは電気や電話と比べ復旧に時間がかかることなどを説明。活動は大学内にとどまらず、首都テヘランの防災にも取り組んでいる。ハサニさんが案内したマンホール。地下には10万リットルの水が入ったタンクが埋められていて、緊急時には1万人に3日間飲水を提供できる。ハサニさんがこれまで水道局に訴え、市内の約150カ所に設置された。取り組みは他の自治体にも広がりつつある。別の街でタンク設置に関わる企業から助言を求められたハサニさん。備えを進める上で考慮すべきことなどをアドバイス。防災は誰かに任せることではなくみんなで取り組むこと。これが日本の震災で学んだ教訓だという。