丸紅インド会社不動産部・神山亮氏の解説。インド政府によると、2023年度の実質国内総生産、GDPの成長率は8.2%。政府による事前予想の7.6%を上回り好調な経済が裏付けられた。一方で、地政学的リスクやサプライチェーンの懸念から、7月に政府は2024年度の成長率が6.5%から7.0%にとどまるとの見通しも公表。選挙後の調査によると、インドの有権者は主に失業、雇用喪失、所得の減少、インフレに懸念を示していたが、与党・インド人民党とBJPの獲得議席がモディ政権下で初めて単独過半数を割り込んだ。選挙結果を受け7月に発表された予算編成は、農家、貧困層、女性、若年層に注力する内容となっている。注目しているのは住宅政策。具体的には、低所得層向けにスラムの再開発や住宅の供給などで、全ての国民に住宅を供給する目標を掲げた。住宅需要は高まっている。インドの不動産セクターは2030年までに市場規模がUSドルで1兆ドルに達し、2025年までに同国のGDPの13%を占めると予想されている。また。エコノミック・タイムズの住宅金融サミットによると、現在都市部の住宅不足は約1000万戸と推定。日本企業としてのビジネスチャンスについて。日本の開発ノウハウを生かしながらインドの文化、生活習慣を取り入れた良質な住宅を供給することが適切と考えている。インドは州ごとに法律や規制が異なり海外企業単独での事業が困難な場合も。