パキスタンとバングラデシュが急速に関係改善している。インドは良好な関係を築いていたバングラデシュが対立するパキスタンに取り込まれてしまうことを苦々しく思っている。パキスタンは去年5月の大規模な武力衝突以降、インドとの緊張が高まるなかバングラデシュを引き寄せておきたい考え。パキスタンとバングラデシュ間では直行便の再開に加え、パキスタンの人気歌手がダッカで公演するなど文化的交流も活発になっている。軍事面でも協力が進んでいる。今年1月にはバングラデシュ空軍のトップがパキスタンを訪問、中国とパキスタンが共同開発した戦闘機の調達の可能性についても議論している。先月行われたバングラデシュの総選挙の際にはパキスタン・シャリフ首相は早々と声明を発表、新政権との協力拡大に強い意欲を示した。今後も両国の接近は続くとみられる。1971年のバングラデシュ独立戦争ではパキスタン側の激しい弾圧で300万人ともいわれる多数の市民が犠牲になっている。バングラデシュ側は当時のパキスタン軍による虐殺行為への公式な謝罪を求め、独立まで保有していた7000億円以上の資産の引き渡しをパキスタン側に求めるなど両国間には課題が残っている。バングラデシュは国境を接するインドと極度に関係悪化することはできず綱渡りのような外交が必要となる。バングラデシュとパキスタンの接近は南アジアのパワーバランスを変える可能性がある。
