キャサリン皇太子妃は、去年3月がんであることを公表し、今月14日ほとんど症状が出ない状態になったことを明らかにした。キャサリン妃の健康状態には高い関心が寄せられてきたが、詳しい病状は明らかにされずメディアの報道も極めて抑制的だったといわれている。イギリスではかつて、大衆紙などがダイアナ元皇太子妃を執ように追い掛け回したことへの教訓もあり、王室報道の在り方が変わってきているよう。ザ・サン紙カメラマンのアーサー・エドワーズ氏は、チャールズ皇太子のお妃候補が国民的な関心事となっていた1980年、ダイアナさんの存在を突き止めスクープ写真を撮った。しかし、このあとダイアナさんの周りには昼夜を問わずメディアが押しかけるようになったという。こうした中、1997年、ダイアナさんはパパラッチと呼ばれるフリーカメラマンたちに追いかけられている時、交通事故で亡くなった。これに対し、今回キャサリン妃を巡る報道は抑制的だったといわれている。ケンブリッジ大学のロジャー・モージー副学長代理はダイアナ元皇太子妃の死が転換点になったと指摘する。ただ、メディアの取材が抑制的になる一方、新たな課題も出てきている。キャサリン妃が手術を受けた病院では、何者かが診療記録にアクセスしようとしたと報じられ、今も独立調査機関による調査が行われている。さらに、市民が撮影した術後に、買い物をするキャサリン妃の映像が高値で大衆紙に売られ、プライバシーの侵害ではないかと批判された。