トランプ大統領が関税を課す考えを示したのは欧州8か国。これらの国からの輸入品に対し、来月から10%、6月からは25%の関税を課すとしている。8か国はデンマークがグリーンランドで行う軍事演習に兵士派遣を表明。そもそも兵士派遣の狙いはヨーロッパ諸国の結束を示すこと。そしてトランプ大統領が安全保障上の懸念を理由にアメリカがグリーンランドを領有すべきだと主張する中、NATO加盟国が協力すれば北極圏の安全を守ることができるとのメッセージをトランプ大統領に送ろうとしていると捉えられている。8か国の共同声明でも“我々はNATOのメンバーとして北極圏の安全保障を強化することに尽力している、演習はこの必要性に応えるためだ”とコメントしている。ただ、トランプ大統領は“これらの国は意図が分からない形でグリーンランドに向かった、非常に危険な状況だ”とSNSに投稿。欧州側の狙いとは異なり、あたかもアメリカに歯向かってきたかのように受け取っているとも見え、あくまでもアメリカがグリーンランドを領有する必要があるとの姿勢を崩していない。トランプ大統領と良好な関係を築いていることで知られるイタリア・メローニ首相は“今回の軍事演習はアメリカに対してではなく他の勢力に対するものと理解されるべき”と発言。コミュニケーション不足があったとして対話を模索する姿勢を強調した。グリーンランドを巡って亀裂が深まる欧州とアメリカ。欧州はトランプ大統領の2期目の就任以降、なんとか良好な関係を築こうと模索してきた。背景にはウクライナ侵攻をめぐり、アメリカの軍事支援が欠かせず、和平交渉でも仲介役となっていることやNATOに対するアメリカの関与を維持したいといった思惑がある。フィナンシャル・タイムズは複数の記者がトランプ大統領の「脅し」は一線を越えていると指摘していると紹介。さらにEUがアメリカに対する報復案を検討していると伝えている。報復案では930億ユーロ(17兆円)規模の関税や市場へのアメリカ企業の参入制限などが検討されているという。報道では報復手段を手元に持ちながらトランプ大統領と対話を通して緊張の緩和を目指したいとするEU側の狙いを指摘。EUは22日にも首脳級会合を開き対応協議することにしている。
