プーチン大統領が金正恩総書記を招き技術力をアピールしたロシアの宇宙産業だが、意外な弱点が浮き彫りになったという。プーチンは宇宙産業を支える関係者と懇談を行ったが、関係者からは「給料が低く人材流出が深刻」「基地が生活に不便で若者に不人気」など具体的な不満が相次いだ。プーチンはその場で対策を命じたが、現場の声に直接耳を傾け問題に対処する指導者像を演出する意図が図らずも最先端産業の弱点・課題を顕にした。また別の課題も浮き彫りになった。民間参入で活性化を図る方針を強調しているプーチンだが、宇宙産業の分野は国家や大統領の意向が色濃く反映されている。半世紀ぶりの月面探査機の着陸が失敗した背景には過剰な規制や官僚主義があるとも指摘されおり、民間参入を促すのであればこうした体質の改善が必要となる。