ロ朝首脳会談について解説。経済や安全保障分野の協力を盛り込んだ包括的戦略パートナーシップ条約に署名。第三国から攻撃があった場合、相互に軍事支援を行うことが盛り込まれているという。ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアが、北朝鮮から短距離弾道ミサイル、砲弾などの供与を受け、その見返りに、北朝鮮が軍事技術などの支援をロシアから受けているとされる中で、ロ朝両国が軍事分野での協力拡大を本格的に可視化した形。北朝鮮としては、1961年に旧ソビエトとの間で結ばれ、有事に一方が外国から攻撃を受けた場合には、もう一方が軍事支援を行うという、自動介入条項も明記。ソビエト崩壊後、1996年に効力が失われた友好協力相互援助条約に代わる条約の再整備を北朝鮮としては行いたいところだった。ウクライナへの軍事侵攻が終わったあとも、ロシアによる安全保障上のコミットメントをつなぎ止められるよう、制度化を図っておきたいという思惑もありそう。対米共闘で利害が一致するロシアと北朝鮮が対抗軸を作れば、日本にとっても脅威が増すことになる。