世界有数の恐竜化石の産地として知られているゴビ砂漠で、半世紀前に巨大な2本の腕の化石が掘り出された。骨の形からティラノサウルスに近い恐竜だとわかったが、そこから体長を推定するとティラノサウルスの約3倍、全長30mの化物ということになった。この恐竜は「恐ろしい手」を意味する、デイノケイルスと命名された。そして今年、全身骨格が見つかり、約4時間をかけて再現を試みた。デイノケイルスは全長11メートルで、腕だけが異様に大きいアンバランスな姿をした恐竜だった。奇異なのは肉食恐竜の仲間でありながら口に歯が1本も生えておらず、背中には巨大な帆を有していた。新発見によって摩訶不思議な度合いが増したという。