エトナ山の麓の町に大きな被害が及ぶことはほとんどない。3000mを超える場所で噴火する火山はあまり無い。火山学者ボリス・ベンケさんお計らいで噴火直後の調査に同行した。噴火直後のエトナ山に足を踏み入れるのは番組初の試み。マグマは地下では1000℃ほどの液体。それが地表に噴き出すと溶岩と呼ばれ、流れ出たものが溶岩流だ。4月30日の溶岩流の長さは約1.6km。エトナ山の溶岩は粘り気があり、ゆっくり進むため表面が先に冷えて固まる。煮えたぎった内部が押し出すように表面を砕くので鋭く尖る。少なくとも2700年前から噴火の記録が残るエトナ山。火山研究の重要な場所としての価値が認められ、世界遺産になった。