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シチリア島 噴火直後の火山
コーナーオープニング
噴火10日後 溶岩流を歩く
エトナ山の麓の町に大きな被害が及ぶことはほとんどない。3000mを超える場所で噴火する火山はあまり無い。火山学者ボリス・ベンケさんお計らいで噴火直後の調査に同行した。噴火直後のエトナ山に足を踏み入れるのは番組初の試み。マグマは地下では1000℃ほどの液体。それが地表に噴き出すと溶岩と呼ばれ、流れ出たものが溶岩流だ。4月30日の溶岩流の長さは約1.6km。エトナ山の溶岩は粘り気があり、ゆっくり進むため表面が先に冷えて固まる。煮えたぎった内部が押し出すように表面を砕くので鋭く尖る。少なくとも2700年前から噴火の記録が残るエトナ山。火山研究の重要な場所としての価値が認められ、世界遺産になった。
シチリア島 5月の雪景色
大噴火 破壊と再生の物語
真冬のエトナ山の北側斜面はスキー場になっている。2002年10月、山の中腹にできた亀裂から溶岩が噴き出した。溶岩流の動きが遅かったので人々は避難できたが、ホテルやスキー場などの観光施設が壊滅的な被害を受けた。シチリアの歴史は再生の歴史でもある。人々を支えたのが聖母子像。
エトナ山の麓の教会のすぐ脇に洞窟がある。17世紀の噴火で溶岩に飲み込まれた教会の一部だ。町の人々が立てたのは小さな礼拝堂。後に改築し「溶岩の聖母マリア聖堂」と名付けた。壁には溶岩を埋め込んだ。聖母子像は噴火から35年後、信者たちが溶岩の中から発見した。人々はこの聖母子像に復興への希望を重ねた。いつしかこの教会は子宝や安産を願う人々の祈りの場となった。
(エンディング)
次回予告
「世界遺産」の次回予告。
(番組宣伝)
ベスコングルメ
「ベスコングルメ」の番組宣伝。