北海道のポツンと一軒家にたどり着いた。建物は中村さんの漁師だった亡父が平成9年に建てた。その前は借地で50年前からこの沼で漁をしていた。自宅は車で30分ほどの場所にある。沼の外周は30キロほどで水深は最も深いところで約3.5mほど。ここで漁をしているのは中村さんだけで、ワカサギやエビを獲っている。昔は季節ごとに海と沼両方で漁をしていた。鮭が獲れなくなったため佃煮屋を始めた。佃煮の加工場は別の場所にある。奥の高台には津波対策用の予備棟があった。中には宿泊スペースや台所もあった。中村さんは漁業組合学校卒業後、19歳のときに帰郷して父の仕事を手伝い始めた。父は2年前にエビ漁中の事故で亡くなった。