フランス・マクロン大統領が解散に踏み切り、7日に行われた議会下院に当たる国民議会の選挙の決選投票。左派の連合が極右政党を抑えて最大勢力になったものの、どの勢力も過半数の議席は獲得できなかった。マクロン大統領は10日、国民への手紙とする書簡を地元紙に公開し、選挙後初めて意見を表明した。1回目の投票で首位となった極右の政権入りをあなたたちは明確に拒否した。その結果、誰も勝つことはできなかったとして、国民みずからが極右勢力の台頭を防いだと強調した。その上で、有権者によって選ばれた共和国の勢力だけが過半数を代表する。大規模な結集が必要だと述べ、国内の各政党に対して連立に向けた協力を呼びかけた。書簡では連立を組むべき具体的な政党への言及はなかったが、有力紙「フィガロ」は極右政党の国民連合と左派の連合の一角を占める急進左派の政党の排除が念頭にあ ると指摘していて、連立に向けた調整は難航が予想されている。