国連総会は193の加盟国すべてが参加でき、その決議は国際社会の総意を示すとされる。この日は、ウクライナなどが提出したロシア軍の撤退などを求める決議案が、賛成多数で採択された。ただ、これに反対したのがアメリカ。そして、別の決議案を提出。「紛争の早期終結を要請する」というもので、ロシアに批判的な“侵攻”という文言は使われていない。これにフランスなどは修正案を提案。「ロシアによる全面的な侵攻」という表現を盛り込み、こちらが賛成多数で採択された。しかし、アメリカは諦めない。“侵攻”という文言を避けた決議案を、今度は安全保障理事会に提出。ロシアを含む10か国の賛成で採択された。安全保障理事会の決議は、国連総会と違い、すべての加盟国に法的拘束力がある。今回、ヨーロッパの5か国が棄権し、アメリカとの隔たりが浮き彫りとなった。