天皇陛下は1983年から2年間オックスフォード大学に留学しテムズ川の水運史を研究した。寮生活はすきま風が冷たかったので目張りをしてしのいだ。また、コインランドリーを初めて使った際洗濯物を詰めすぎてあたりが泡だらけになった。学友とパブでビールを楽しみ警護官と3軒はしごしたこともあった。初めてディスコに行ったが入店できなかった。ジーンズなどラフな格好で外出中の天皇陛下を見て日本人観光客が驚いた。天皇陛下は留学の終わりを目前にして「再び訪れるときは今のような一学生として見て回ることはできないであろう」などと話した。天皇陛下の学友の男性は天皇陛下と弦楽四重奏団を組みコンサートで演奏したこともある。1991年天皇陛下から手紙と本が届き2010年ローマで再会した。専門家は「留学により国際的な視野が広がり公務に役立っている」と話した。
皇后陛下も外務省時代1988年から2年間オックスフォード大学に留学した。皇后陛下について指導教授は「聡明な女性で優秀な学生」と話した。両陛下ゆかりの中華料理店があり皇后陛下は北京ダックを注文し、天皇陛下は麻婆豆腐とご飯を注文。
1869年明治天皇が英王族をもてない交流が始まり、1930年代外交政策などをめぐり関係が悪化し1941年日本が米英に宣戦布告すると英国王室との交流が途絶えた。1953年エリザベス女王の戴冠式に上皇さまが出席するがかつての敵国のプリンスに冷ややかな見方もあった。1971年昭和天皇が訪英し昭和天皇が植樹した杉の木が翌日に切り倒され薬品をかけられる事件もおきた。1998年上皇さまが訪英し馬車で進む上皇ご夫妻に元捕虜だちが日本に抗議の意を示すため背を向けるデモを決行した。天皇陛下は「過去の歴史に対する理解を深め平和を愛する心を育んでいくことが大切」と話した。