ヨーロッパ、中東地域の2025年展望。2:周辺国に“ロシアの影”。ルーマニアでは大統領選挙でウクライナ支援に反対する無名の候補者ジョルジェスク氏が現職の首相を上回って首位に立ち波紋が広がった。ジョルジェスク氏はSNSを活用して支援を広げたがその過程で、ロシアやロシア寄りの人たちが関与したともいわれている。またロシアの隣国ジョージアでもロシアの影によって政治と市民の亀裂が広がっている。街頭で声を上げているのはEU加盟を求める人たち。去年、ロシア寄りの首相がEUへの加盟交渉を中断すると発表したことに対し連日、抗議を続けている。去年10月の議会選挙を受けてロシア寄りの与党、ジョージアの夢・コバヒゼ首相が再任された。親欧米の野党は議会選挙は不正があったなどと主張。先月、議会議員などによる間接選挙で行う大統領選挙には候補者を立てず棄権。結局、大統領もロシア寄りのカベラシビリ氏が選出された。専門家は、今後与党は権力を守るためにさらにロシアに接近していくと指摘する。ジョージアはEU加盟を長年、目指してきただけに多くの国民はロシアに対してはウクライナと同様強く脅威を感じている。また、ルーマニアはEU加盟国だが、万が一、ウクライナがロシアに取り込まれればロシアと接することになる。ただEUは主要メンバーのフランスやドイツで政治が不安定になっている。加えて、まもなく就任するトランプ次期大統領が、ヨーロッパの国々の多くが米国に防衛を依存しているなどと批判し安全保障政策を見直す構えを示している。