香港高等法院が世界最大の負債を抱える中国の不動産大手恒大グループに下した判断はどのような影響を与えるのか。裁判所は約5000億ドルの負債を抱える恒大グループに会社を清算するよう命じた。かつては中国最大の不動産企業であった恒大グループは行き過ぎた不動産開発でつまずいた。これまで中国経済を牽引してきたが、今では景気回復の足かせとなりつつある。各国のニュースも恒大グループをめぐる情報を伝えている。中流階級は不動産市場を安全な投資先とみてきたが、今は安全神話は崩壊した。不動産価格が下落する中、莫大な借り入れに対する中国政府の規制強化が追い打ちをかけた。数多くのアパートが空き家となっている。恒大グループが南部に建設した14棟のビルも完成しなかった。アナリストは数十万に及ぶ家族が暮らせると思っていたアパートを手に入れることができないと話している。2021年に債務不履行に陥った恒大グループはいまや5000億ドルという世界最大の負債を抱える不動産会社という不名誉なレッテルを貼られ、金融市場にも衝撃が広がっている。債権者とは2年前から新たな債務返済協議を試みているが、まだ出口は見えていない。香港の高等裁判所は負債問題の解決は困難と判断し、清算するよう命じた。恒大グループは最高裁判所に上告できるが、上告した場合さらに結論が先送りされることになる。