中国の李強首相は今月20日までの日程で、ニュージーランド、オーストラリア、マレーシアを訪問する予定で、ニュージーランドでラクソン首相と会談した。共同声明では、貿易や人的交流などの分野で協力を強化するほか、外交や経済、防衛などについて定期的に協議することを確認したとしている。会見で李首相は、TPPへの加入に改めて意欲を示した。一方、ラクソン首相は「中国は最大の貿易相手国だ、貿易・教育・観光のつながりは両国に利益をもたらしている」と述べた。その上で記者団に対し、会談で李首相がニュージーランドが協力を検討している米国、英国、オーストラリアの3か国で作る安全保障の枠組み「AUKUS」について懸念を示したことを明らかにした。ニュージーランドは、米国やオーストラリアなどと機密情報を共有する関係にある「ファイブアイズ」と呼ばれる国の1つで、李首相の発言は、安全保障や先端技術などをめぐり対立が続く米国をけん制するねらいもあるとみられる。