国会への提出が大幅に遅れていた年金改革法案が今週ヤマ場を迎える。政府は早ければ金曜日にも法案の閣議決定を目指すが、不透明な状態となっている。ANNの最新の世論調査で、内閣支持率が発足後最低の27.6%に落ち込んだ石破政権。なかなか進まない年金改革に野党はしびれを切らしている。国民民主党の玉木代表は、アメリカが始める新制度を日本にも導入し、老後の不安を解消したいと訴えた。日本維新の会は社会保険料について自分のために支払う年金積立方式への変更をこれまで訴えてきた。今もっとも議論されているのは、将来の基礎年金の目減りをどう防ぐか。当初は基礎年金を底上げするために厚生年金の積立金を充てる案が議論されていたが、厚生年金を流用するなと批判の声が沸き起こったため、政府は断念した。自民党の参議院議員らは夏の選挙への影響を恐れ、法案は国会提出の時期が煮詰まらないままになっている。厚生労働大臣を務め、ミスター年金とも呼ばれる年金通の長妻は、早く改革しないと手遅れになると危惧している。団塊の世代が年を取り、超高齢化社会が加速している日本。その子どもにあたる1700万人の団塊ジュニア・就職氷河期世代は雇用が不安定の人も多いまま、あと10年余りで年金を受け取る側になる。