NY原油先物価格は、年明け以降、1バレル70ドルを上回る水準で推移。アメリカ・トランプ大統領は国内のインフレを抑えるため、価格を大きく引き下げる方針を示している。計画は狙い通りに進むのか、専門家に聞いた。トランプ大統領は、アメリカの石油業界に増産を働きかけ、OPECに対しては価格引き下げを要求。専門家は有効性に疑問を投げかける。スコット・バウアーCEOは「石油企業は供給過剰になることを懸念している。生産量を増やせば価格が下がる。もうけるためには価格を上げる必要がある。OPECも自らの利益のため、価格が上がるまでは増産するとは思えない」と述べた。それでもインフレを抑えるためには、原油価格を大幅に下げる必要があるという。バウアーCEOは「(食品など)物価を下げるには、1バレル=60ドル程度になる必要がある。実現は非常に困難だ」とした。さらにトランプ大統領の関税政策が、国内のガソリン価格をかえって引き上げる要因になると指摘し「メキシコとカナダからの石油輸入に関税を課すことになれば、ガソリン価格は上昇してしまう」などと述べた。