ネタニヤフ政権に踏み込んだ発言をしたガンツ前国防相は、現在64歳。1977年、18歳の時にイスラエル軍に入隊後、2011年に参謀総長に就任。2015年に退役したあと政界に転身し、現在は中道野党の党首を務めている。ガンツ氏はイスラエルの世論調査で、ネタニヤフ首相を上回る支持率となっていて、ガンツ氏はネタニヤフ首相とはライバル関係にある。そんな中、去年10月にハマスによる急襲を受け、ガザでの戦闘方針を決める戦時内閣が発足し、ガンツ氏はネタニヤフ氏との対立を棚上げして、戦時内閣の主要メンバーに加わった。対ハマスのもと、協力関係が続いているとみられていたが18日、戦時内閣からの離脱を示唆する事態になっている。一方、ネタニヤフ首相はハマスではなく「首相に最後通告を出すのか」と激しく反発したとしている。このタイミングでガンツ氏がネタニヤフ政権に反旗を翻したことについて、宮田律理事長は「バイデン政権の意向が関わっているのでは。ガザでの戦闘を長引かせたくないバイデン政権が、人気の高いガンツ氏を動かしたのでは」などと推察。今後の動きについて宮田理事長は「ガンツ氏は、ガザでの戦闘に嫌気が差している閣僚の取り込みに動き、総選挙の実施に向け、動くことが想定される」としているが一方、ネタニヤフ首相は「政権を維持するため連立を組む極右勢力との関係を盤石にするため、極右勢力が主張するガザ地区への攻撃や支援物資搬入の妨害を更に強めようとする恐れがある」とみている。